
明治初期の創業以来、秋田県湯沢市川連で、代々“不易流行”の器をつくり続ける、国指定伝統的工芸品「川連漆器」の作り手「寿次郎(じゅじろう)」の今後の方向性を位置づける新たなパンフレットの制作を担当しました。


「ハレの日の特別な器ではなく、毎日使うことが出来る“ふだんづかいの雑器”」、自らの漆器をそう語る「寿次郎」がつくり出す器は、川連塗の伝統的な特徴でもある“花塗り”のしっとりとした質感がとりわけ素晴らしく、ふだんの暮らしの中で、つかいながら育てる楽しみも与えてくれます。


花塗りは、「塗り立て」とも呼ばれる伝統的な仕上げ技法で、上塗り後に漆を研磨せず、刷毛で塗ったままの状態で乾燥させることで、とろりとした温かみや、ふっくらとした自然な艶が生まれ、使い込むほど艶が増していきます。


“暮らしと育む ふだんの漆”というコンセプトを新たに掲げ、ブランディングの第一歩となるパンフレットの制作を、年に一度の新作を交えながら数年間担当させていただきました。

寿次郎の器の世界観を表現すべく、奇をてらわず、どっしりとした、堅実なデザインを意識しながら、顧客層に年輩の方が多いことを考慮して、可読性を優先した大きめの文字。たくさんの商品がある中で、出来るだけ数多く掲載したくなるところですが、「これこそ寿次郎です」という器に絞り、質感も伝わるよう大きめの写真で構成しています。
Planning:Makoto Tamiya/casane tsumugu
Editing:Makoto Tamiya/casane tsumugu
Design:MIKIKADO
Photo:Masako Kakizaki
Direction:Makoto Tamiya/casane tsumugu
CL=秋田 川連塗 寿次郎
