秋田市新屋ガラス工房
オリジナルプロダクツ

プロデュース
CL=秋田市新屋ガラス工房(秋田市)
2019〜2020

秋田市新屋ガラス工房のオリジナル商品を作りと販売を目標に、工房スタッフ(ガラス作家)のみなさんへの講義と、商品のプロデュースを担当。

「GECO/JOGO(下戸と上戸)」というネーミングは、かつて新政酒造があった工房のあるこの場所、かつていくつもの酒蔵があった新屋というこの地域、そして秋田らしい素材の発掘、秋田らしい商品などの観点からスタッフのみなさんで考え、生まれました。

深い独特のグレーが印象的なこのガラスは、先述のストーリーとも関連性の高い日本酒の酒粕を用いた秋田市新屋ガラス工房オリジナルの「あらやっしゅグレー」という素材。単調なグレー色のクリアガラスとは異なる、新酒の時期の秋田の冬空を思わせるような深い独特のグレーは、とても印象的で、どこか北欧的な気配すら感じさせます。
 
「『あらやっしゅグレー』という素材を活かす商品とは?」「秋田らしい酒器とは?」そんなことをスタッフのみなさんと考え、試作を繰り返し、秋田らしい、素敵な酒器が出来たと、関わった者の一人として誇らしく思っています。

全4種類のうち、2つがGECO、もう2つがJOGO。セット商品はシルエットが同じですが「GECO/JOGO(下戸と上戸)」という名の通り、それぞれで容量が異なります。単品商品も同様、脚付の美しいフォルムのJOGOは、たくさん飲みたい方向け。一方、丸みのあるフォルムのGECOは、少しの量しか注げなのですが、たくさん入っているように見える仕様になっています。

「たくさんは飲めないけれど…」「すぐ酔ってしまうんだけど、お酒やお酒の場が好き」という方も少なくないと思います。そんな人たちに向けた、下戸も上戸も一緒に、気兼ねなく酒を酌み交わして場を楽しんで欲しい。酒どころ秋田らしい、そんな願いを込めた酒器です。

工業製品ではなくひとつひとつ手作業で作られているため、ひとつとして同じものはありません。そしてその年の限定品である印として、全ての商品に西暦(初回今回は「2020」)と、限定品であり同じモノがないことを記すためのナンバリングが入ります。(※「#001」は工房オリジナル素材の第一号である「あらやっしゅグレー」を意味しています。)

ここに至るまで、秋田美大教授でガラス作家の小牟禮尊人さん、事務的調整にも汗を流してくださった小牟禮美穂さん、当時、リーダー的な役割を担ってくれたガラス作家の熊谷峻くん、秋田美大准教授でガラス作家の瀬沼健太郎さん、そして、このプロジェクトに関わるきっかけをくれた、昨夏、山形県鶴岡市に移住し「manoma」をオープンされたマツーラユタカさんミスミノリコさん、たくさんの人たちの力がありました。関わった全てのみなさんに心から感謝しています。

https://araya-glass.akita.jp/

Produce:casane tsumugu
Special Thanks:Yutaka Matsuura & Noriko Misumi