企画・PR・コーディネート・デザインディレクション・運営
CL=秋田清酒株式会社
2010
東京秋葉原のアートスペース「3331 Arts Chiyoda」にて、秋⽥清酒株式会社が特約店でのみ販売するローカルにこだわる銘柄「やまとしずく」の、若者および情報発信者層向けプロモーションイベントを企画からPR、運営までトータルで担当。
[ やま と しずく L×7→U ]
〜大事なものは手の届くところにあった SAKEとFOODの物語〜
全国的に有名な「大曲の花火」が行われる秋田県大仙市、その旧南外村地区で、江戸末期の創業から150年に渡り酒造りを行う「刈穂」「出羽鶴」の銘柄で有名な秋田清酒株式会社が、創業者の気持ちに立ち返り、秋田から全国へ発信できる酒を造ろうと、長い酒造りの「伝統」と次代に支持される「革新」という相反するコンセプトを体現すべく生まれたのが「やまとしずく」という銘柄。国内では限られた範囲の流通に留め、これらの文化や想いを丁寧に伝えることに力を注いでいる。ヨーロッパをはじめとする海外にも出荷し、ワイン愛好家を中心に高い評価を得ている。パリだけでも約20店舗のレストランやお店で楽しめるそうです。(※2010年当時)
「やまとしずく」は、原料の酒米作り・仕込み水・造り手などの全てが、蔵から半径10km圏内に存在し、酒蔵が米作りから醸造、販売まで全てに関わって丁寧に生み出されています。ヨーロッパで高い評価を得ている理由のひとつとして、ワインで言われる[terroir|テロワール]の概念においても十分に説明可能だという点があります。グローバルな視座でも展開する秋田清酒が、蔵から半径10km圏という超ローカル酒造りを行この「やまとしずく」は、グローバルとローカルという対比の中に、これからの時代のヒントが多分に隠れていると感じました。イベントでは、それらを丁寧に紐解きながら、地方と都市をつなぐきっかけを作りたいと企画に反映しました。
当日は「やまとしずく」全種、加えて「刈穂」「出羽鶴」も含めた3銘柄それぞれの仕込水を提供。全て地域の湧き水を使用しているが、それぞれ異なる場所から採取しており、異なる特徴を持つ。「酒は8割が水」とは秋田清酒株式会社伊藤専務(現社長)の言葉。同じ製法で作ったとしても水の違いで異なるものになるだろうと言われています。
当日提供する料理についても、ローカルにこだわるべく秋田の食材を使うことをコンセプトに、秋田清酒の近くを流れる秋田の大河「雄物川」水系に紐付く食材をテーマとし、これを実現できる横手市十文字の地産地消デリカテッセン「紅玉」さんに依頼。「デリカテッセン紅玉」では普段から、地域の生産者との関係性を強く意識し、地域において顔の見える関係性の中で食材調達を行っている。「やまとしずく」に見られるグローバルと超ローカルの対比を料理でも表現して欲しいと依頼し、お客様から好評をいただける見事な料理の数々を提供していただきました。
イベントでは、お酒と料理を楽しむだけでなく、タイトルの「L×7→U」、7つのLOCALITYを説明しながら、UNIVERSALITY「普遍的な価値」とは何かということを、秋田清酒の取り組みを通して提起するトークを組み合わせて進行。参加されたお客様は、20〜30代の若い世代が多く、普段日本酒に接する機会が少ない方にも楽しんで欲しいという酒蔵の想い、プロモーションの意図が伝わる場となった。終盤は「やまとしずく」を販売する特約店の会「やまと会」会長である地元大仙市「アキモト酒店」秋元氏による『秋田酒屋唄」の熱唱で会場が一体となり、温かく秋田らしい雰囲気に包まれながら閉会を迎えた。
PL/PR/CD/OP:casane tsumugu
Design:ZERODATE
Food:
Delicatessen KOUGYOKU
Photo:Nozomi Takahashi<OZIMONCAMERA>
Special Thanks:
AKIMOTO-SAKETEN/
3331 Arts Chiyoda/
Yumin Fujita