株式会社大館工芸社「お杉わらべ」

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CL=株式会社大館工芸社
2023-24


秋田県の北部、大館市にある曲げわっぱ製造販売元、大館工芸社は創業当初、木製花器と木製の土産品を主力商品としていました。その中で、昭和37年頃から製造していたのが、雪国秋田の冬を象徴する藁の「雪帽子」をかぶった子どもの姿を模した木製人形「お杉わらべ」でした。秋田はもとより、国内の温泉観光地などでも広く販売され、主力商品が曲げわっぱに移行していく1970年代まで、創業当初から大館工芸社のものづくりを支えてくれた象徴的な商品、「はじまり」とも言える存在が「お杉わらべ」です。

製造終了からおよそ50年、再び「お杉わらべ」を皆さまにお届けするサポートをさせていただきました。50年の月日が経過していたため、かつて製作に携わった人もおらず、何度も試作を重ねながら、復刻と新シリーズの発表に辿り着きました。

雪国の冬の凜とした美しさとノスタルジックな雰囲気が共存する「お杉わらべ」は、グローバルな現代だからこそ、土地の文化、風土を纏った存在として、国境さえも超えていける力強さがあるのではないかと思っています。

秋田杉の無垢材を贅沢に使い、ひとつひとつ手描きで絵付けをした当時の製品を再現した「お杉わらべ」、そして、モダンなインテリアにもマッチする現代版、雪国の冬の凜とした美しさやそこで生きる人々の力強さも感じられる抽象彫刻のようなオブジェとしての「FOLK ART」シリーズを、半世紀の時を超えて、装い新たにお届けします。

同社が展開する「Blanc Pa」同様、「限りある資源を活かしたい」という大館工芸社さんの取り組みの一環でもあります。主力商品のお弁当箱を製作するために仕入れた木材の中には「曲げ」に不向きな材料もあります。また、安定した原材料を確保するためにも地元製材会社さんとの関係性は不可欠で、「曲げ」には不向きでも「お杉わらべ」をつくることが出来る材もたくさんあります。

地域の伝統や文化、技術を支えているのは、企業や職人ら「つくり手」だけではなく、生活者である「つかい手」の皆さん一人一人でもあります。地域と共に、自然と共生していく企業としての取り組みをぜひ応援してください。


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Photo:Akimi Goto/casane tsumugu
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